彰邑明聖廟

台湾で廟めぐりをするときはだいたいgoogleマップを頼りにコースを決めます。しかし、実際現地に行ってみると地図に載っていない廟に出くわすことがあります。彰邑明聖廟もそんな廟の一つ。しかもこの廟は台湾でも稀に見る不思議な廟でした。

彰化の元清観をお参りした後、たまたま通った道の途中でみつけた廟です。

どんな神様の廟かと入ってみると、なにやらケモミミの神像がたくさん祀られている異様な廟でした。

虎爺。多くの廟に祀られる虎の神様の廟です。実は台北でも虎爺が主祭神の小さな祠を一座だけ見つけたことがあります。その廟では虎爺は「虎神公」と名付けられ、小さな祠の中に人間型の神像が祀られていました。しかし、このように半獣の姿で祀られているのを他で見たことはありません。

これが擬人化虎爺の天虎将軍です。まわりにも同じ虎人間の像が祀られています。

虎のマントなどをひっかけています。

これはおそらく城隍。

そして福徳正神。

廟のかたすみにある写真には「江西省三清山玉京峯是虎将軍鎮守の源地為瑤池金母娘娘駕前使者」とキャプションがついています。中国江西省の三清山玉京峯は虎将軍の出身地で、西王母の籠の前で先触れの使者をしていたというような意味です。

虎爺は一般的には福徳正神の配下とされる設定と、保生大帝が喉に刺さった簪を抜いてあげた後に配下になったとする設定があります。調べてみるとこの天虎将軍はそれらとは違い、もとは瑤池金母=西王母の命により、城隍のお世話をするためにこの廟の奥にある彰邑城隍廟で城隍に仕えていました。しかし2001年にお告げにより城隍が仁愛侯に封じられ、役目を終えたために独立した廟に祀られるようになったとのことです。彰邑城隍廟には空位になった虎将軍の席がおいてあります。この設定は他の城隍廟にはない彰化独自のものです。