台北天后宮は台北随一の繁華街・西門町にある廟です。西門町界隈も、地域としては萬華に入ります。
天后は天上聖母に与えられた尊称です。媽祖廟は台湾中にあるのですが、西門町では西門町ならではの現象が起こっています。それはというと、
萌えキャラ化。西門町の守護神は天后宮の天上聖母だということで、人間時代の名前として設定されている林默娘ちゃんの名前で西門町のご当地キャラとなっています。
默娘ちゃんかわいいよ默娘ちゃん。
天后宮は入って右側に玉皇殿があるので、まずは玉皇大帝をお参りします。
玉皇殿の壁には四大天将の絵。左から托塔李天王、顕聖二郎真君、中壇元帥、豁落靈官王元帥です。
天上聖母の隣には、関聖帝君、医神華陀、文昌帝君、孚佑帝君。
そしてここには全台湾でここにしか祀られていない人がいます。
弘法大師。
中国語、日本語、英語の説明プレートがあります。
実はここは日本時代には真言宗の弘法寺というお寺でした。一方天后宮のほうは、もともとは艋舺の別の場所にある新興宮という媽祖廟でしたが、日本時代に道路拡張のために取り壊されてしまいます。日本時代に総督府の都合で壊されて、その後補償もされなかったという廟はいくつもあります。
新興宮にあった天上聖母の神像は、ひとまず龍山寺にうつされていました。
終戦後、国民党の占領により日本人は台湾を追い出されます。弘法寺もそれで無人の寺となってしまいました。そこで新興宮の信徒のみなさんが、寺の跡地に龍山寺に預けられていた天上聖母の像を移し、名称も天后宮と改められたということです。
この像は、ある信徒の枕元に弘法大師が立ってお告げをしたために安置されるようになったものだとか。
こちらの弘法大師像やお地蔵さんは日本時代にあったもののようです。
天后宮は現在でも高野山と交流があり、毎年僧侶が派遣されて法要が行われています。ただ、高野山の設定では空海はまだ生きていて高野山で修行していることになっているはず。ここに神様として祀られているのはその設定と矛盾しませんかね?
道教の廟にはたいてい扁額が掲げられているものですが、この廟のものはとくにいい感じのものが多いです。
台北天后宮は西門町の駅から成都路をまっすぐ西に行くとあります。