横浜中華街に2座ある道教廟のうちの1座。中華街黎明期からあったとされる横浜関帝廟に対し、こちらは2006年開廟と非常に新しいです。発端は、現在媽祖廟がある場所にマンション建設計画が持ち上がったこと。中華街側は建設会社と話し合いを持ち、その予定地を買い取り、媽祖廟を建設することになりました。
落成からまだ13年と新しいものの、この牌楼や正殿は何度か修復工事が行われています。
廟内はともかく、本殿の建物自体が八卦をかたどるという廟は、台湾でも見た記憶がなく、めずらしい建築様式だと思います。
主祭神の媽祖の神霊は、台湾の全台祀典大天后宮から分霊を受けたものです。
配神として、まず註生娘娘と臨水夫人。
註生娘娘は妊娠から出産までを司る神様。臨水夫人は正一教閭山派の道士・陳靖姑が神格化された姿で、女性と子供の守り神です。
反対側の配神は、出会い系神様の月下老人と、学問の神様文昌帝君。
出会って子供を授かり、無事出産して、子供が育ち、いい学校に入るまで面倒見ますという感じです。
本殿の外には福徳正神夫婦。
これは神様が街を行幸するときに先触れが持ち、神様が通ることを知らせるための札。
壁面上部には道教の故事を描いた彫刻。
八角形のかどっこの部分には、媽祖の神話を描いた彫刻。
外壁面下部には、カンガルーとかキリン(麒麟ではなくジラフのほう)など、なんでこれ選んだと疑問を覚える石刻があります。その中で特に目に付くのが、どうやったらここまでブサイクに描けるのかというパンダです。
横浜媽祖廟へは、みなとみらい線の終点元町・中華街駅から徒歩5分ぐらい。南門シルクロード沿いにあります。