行天府

行天府は、日本時代の豚の屠殺場、現在では蘭州市場になっている豬屠口の樹徳公園から南に1ブロック隔てた路地にあります。

入り口は蘭州市場の向い。牌坊が廟本体より立派です。

天公炉は天に向かって拝するための炉で、天帝に祈りを捧げます。ただ、場所によってはこうして建物で空が遮られていることもあります。それを解消するために玉皇大帝の名が記されています。

主祭神は五府千歳に二神を加えた七府千歳とのことです。五府千歳は王爺信仰によるもので、多くは朱・池・李・呉・范の千歳が入れられます。ただ、ここに祀られている七府千歳がどの王爺なのかは不明です。

中壇元帥も王爺に入れられています。

境主公は台湾のwikiによると、城郭の行政区の神でいわゆる城隍。仏教寺院の守護神でいわゆる伽藍。道教廟の管轄区や城郭がない街道、集落の守護神。だそうです。要するになんだかわかりません。境主というからには、城市と城外の境目の守護神かもしれないですね。

参拝順序。

参拝順序によればこれは媽祖のような女神ではなく観音仏祖。ということは横に立つ関羽は、関聖帝君ではなく仏教の守護神としての伽藍神、もしくは伽藍菩薩です。対になる伽藍神は韋駄天、つまりシヴァの息子スカンダです。冷静に考えてわけわかんない組み合わせです。

で、こちらが「馬童」さん。香炉の位置から見てもお馬さんではなく手綱をとっている人が拝まれていますね。ただ、「馬童」で調べてもどこのどなたかわかりませんでした。もうね、台湾の廟にはローカル設定があるところがあって、調べても調べられないものとかいろいろあるんですよ。