艋舺青龍宮

台北萬華地区の南西、新北市との境となる新店溪の近くにある廟です。

創建は1960年と比較的新しい廟。とはいってもそれは清代に創建の廟などを数多く見てきたからそう思えるだけで、すでに60年の歴史を持つという点では十分古いとも言えるでしょう。

この廟はちょっとかわった構造をしています。

普通、拝殿は天公炉とほぼ直線状になっています。

しかしこの廟はこの天公炉と直角の位置に拝殿が置かれています。

主祭神は九龍三公と尹府千歳。

こちらは尹府千歳のはず。

尹府千歳は天界の「龍天護法」の神で、天帝からは民の艱難を除く妙元朱砂神筆を、女媧からは魔を鎮める混元七彩寶石を与えられ、勅命によって地上に降りたという王爺です。

王爺神の多くは、それが後付けであれ実在の人物の神格化です。ところが尹府千歳は、めずらしく地上での姿を持たない純粋に創作された神様なのですね。

で、このうちのどれかが九龍三公。

九龍三公は魏太師、魏統制、魏御史という三代にわたって南宋に仕えた忠臣たちのこと。

とくに魏統制、魏御史親子はモンゴルの侵攻に最後まで抵抗したということで忠臣として讃えられ、明代になって皇帝より九龍三公に封じられました。

香炉の前には中壇元帥の姿も見られます。

祭壇の下にはちょっとゴブリンっぽい容姿の虎ちゃん。

配神としてまず観音仏祖。観音の前に三太子が置かれているのは珍しいです。

五營旗。

たぶん福徳正神。

そして天上聖母です。