彰化元清観

台湾における道教の廟宇の名称は「○○宮」「○○廟」などが多く、まれに「○○祠」「○○殿」なども見られます。一方、中国では白雲観を代表として「○○観」とつくところも多いようです。台湾には「○○観」とつく廟宇はないと思っていましたが、調べてみるとこの元清観がありました。元清観公式サイトによると、観がつく道教廟は台湾ではここ一箇所だけのようです。

ていうか、よくよく調べてみたら2004年に行ってました。そして写真も撮っていました。

こちらが2017年12月にお参りした際の前殿。

そしてこちらが2004年5月にお参りした際の前殿です。

現在のかなり立派な天公炉。

2004年の画像を見るとこんなのだったので、豪華なものに換えたようですね。

ついでにこちらが現在の額。

2004年当時はこんな感じでした。

元清観の創建は1763年とかなり古く、福建泉州系の移民が資金を集めて建てたとのこと。現在の建物は創建より100年以上後の光緒年間に改修されたものです。

主宰神は玉皇大帝。日本の道教関連の本読むと、しきりに玉皇大帝は民間信仰の最高神で、道教の最高神は三清だって主張してるんですけど、それは道教を「民衆道教」と「成立道教」、つまり民間信仰と専門家の道士の道教に分けて分類するというしちめんどくさい考え方をする日本の道教研究ならではの考え方で、そんなもんは窪徳忠が言うように机上の空論であって、実際道教の廟では玉皇大帝は最高神として祀られ、三清はいわばご隠居的な立場に置かれていることがほとんどです。日本人は分類しなくてもいいものを分類したがる習性があるので困ります。

玉皇大帝の前に控えるのは王天君と、顔が赤いから多分関聖帝君。

中壇元帥と多分鳥がとまった杖を持ってるから西王母。

西王母が飼っている鳥ちゃんは鸞鳥といいます。

この鸞鳥が運んでくる神意を術者が自動筆記するというのが、道教の占いの一種扶乩(扶鸞)です。

それに配神として玄天上帝。

反対側に張天師つまり張道陵。

後殿は観音菩薩と太歳星君が祀られます。