艋舺地蔵王廟

お地蔵さんの廟ということで、仏教の寺院ではないかと思われるかもしれませんが、これはれっきとした道教の廟です。というのも「地蔵“王”」というのは道教側での地蔵菩薩の呼び名だからです。

中国にはもともと死後の世界として「冥界」というものがあり、泰山府君という神が治めていると考えられていました。泰山府君は東嶽大帝とも呼ばれます。後世、『封神演義』では黄飛虎が東嶽大帝に封じられたということになりました。

後に仏教が伝わり、それとともに地獄や閻魔王などの概念が伝わると、冥界と地獄が混同されることになって、やがて泰山府君や閻魔王などを含む、死者を裁く十柱の神「十王」が考え出されました。さらに、地蔵菩薩が地獄に落とされた亡者を救うという信仰が生まれ、そして閻魔王が地蔵菩薩の化身であるという設定が生まれ、両者が結びついて「地蔵王」という神が作られました。だから、地蔵王は設定上仏教の地蔵菩薩とはちょっと違うキャラクターです。

地蔵王とキティちゃんのミスマッチがたまりません。

どうやらここにはキティちゃん好きな人がいるようです。

私はこの扁額が渋くてとても気に入りました。

さて、ここが道教廟であるという根拠は、地蔵王の設定だけではありません。

地蔵王の横には、玄天上帝、田都大帝、城隍爺、関聖帝君といった道教・民間信仰の諸神が祀られています。

福徳正神の乗騎である虎爺もいます。虎ってそのまんまかい!と思いましたが、多分爺が隠れています。

建築様式も道教廟です。

門神もいます。

そもそも台湾の道教は仏教と強く習合して仏教成分が強いので、菩薩が主祭神の道教廟というのも珍しいものではありません。

地蔵王廟は龍山寺の東側の西昌街にあります。