台北市文昌宮

文昌宮は中山区の西ぎりぎりの場所にある廟です。

中山区っていうのは非常に広い範囲なんですが、「大龍峒」みたいな伝統的な地域名がわからない場所にあって中山区内にある廟はとりあえず中山区に入れてしまいます。

中山区とその西隣の大同区の境目はMRT淡水線です。淡水線は圓山駅と民権西路駅の間で地下に入り(南行の場合)、民権西路駅から中山駅のちょっと先ぐらいまではMRT路線の上は公園になっています。文昌宮はその公園の前にあります。

文昌宮の主祭神はもちろん文昌帝君です。文昌帝君は学問の神様なので、文昌宮は日本で言えば太宰府天満宮とか湯島天神みたいな感じです。

私はお参りしている人を絶対邪魔しないというルールを課して撮影しています。この文昌帝君はお参りが引きも切らず。ほんの一瞬の隙をついてやっと撮影できました。

ここの廟には渋い出来の木像がいくつか安置されています。なかなかにイケメンな関聖帝君像。しかし、ここに関聖帝君が祀られているのは武神でも商売の神様でもなく、「五文昌」の一柱としてでしょうね。

実は学問の神様には「五文昌」という文昌戦隊的な設定があり、関聖帝君も「文衡聖帝」という別名で加わっています。手に持っているのは好んで読んだという『春秋左伝』だと思われます。

こちらは文昌戦隊の一柱「朱衣神君」。朱なので文昌レッドです。宋代の政治家であり詩人の欧陽脩が、科挙に挑むときに朱色の服を着た神が後ろに立つのを感じ、そのおかげで合格したことから信仰されるようになったという伝承があります。

また、後世には後付けで朱熹であるとも考えられるようになりました。朱熹は儒者じゃないか?そういうのは関係ないんです。孔丘を祀っている廟だってあります。

そして文魁夫子。龍山寺だと魁星夫子という名前になっています。「緑衣帝君」という別名もあるそうなので、文昌グリーンです。

文魁夫子は科挙があった時代には科挙の守り神とされていました。変なポーズはゴルゴ松本の「命」のような感じで「魁」の字を表しているとか。「魁」はさきがけ、つまり先頭という意味ゆえに、試験でトップをとれるようにということで受験生にお参りされます。

さて、戦隊にはもう一柱孚佑帝君も入っているのですが、この廟では仲間はずれになっています。

そして特に関連性もなくいる中壇元帥。

wi-fi使えます

文昌帝君の神威が現れたとのことで感謝する奉納品。きっと何かの試験に受かったのでしょう。ぶっちゃけご本人の努力のたまものです。

この前の道は、夜は閑散としていますが、朝には朝市が立って昼頃まで賑わっています。

文昌宮は、MRT淡水線双連駅のちょっと北にあります。