台北郊外、内湖の山沿いを歩いているといくつかの廟への案内板が出ています。ただ、ハイキングコース沿いに廟が並ぶ四獣山とは違い、それぞれの廟が別の道を登った先にあったりするのでわりと大変です。
武身開漳聖王廟も、同じ内湖の太陽廟からは直接行けず、一度山をおりてからまた登っていかねばなりませんでした。
それほど急峻ではないとはいえ、渓流に沿ってだらだら続く道を登っていきます。
道の途中には、武身開漳聖王廟のすぐ隣にある金龍禅寺が設置した菩薩像や神像が並んでいます。
一見それほど急ではないように見えて、土石流の警告看板がありました。
やっと廟の入り口が見えてきました。
天公炉からの眺めを見ると、けっこうな山の上にあるのがわかります。
一階にも祭壇はありますが、一般参拝客は二階の廟に行きます。
主祭神は福建漳州出身の移民たちが信仰する開漳聖王。
開漳聖王は唐代に漳州を治めた刺史・陳元光。刺史というのは地方長官のような官職です。
陳元光は漳州赴任後周辺を鎮圧してインフラ建設や農業開発に努め、漳州を発展させたことで死後に信仰されるようになりました。
鎮圧といっても実際には原住の少数民族を滅ぼした侵略行為であった可能性も高いです。
開漳聖王の左右に祀られるのは、陳元光麾下の将軍、李伯瑤と馬仁であろうと思われます。
開漳聖王の上に貼られた符。
配祀は文昌帝君と武財神趙公明です。
正殿の外には土地公廟があります。
土地の余裕がある郊外の廟では、土地公廟が正殿とは別に建てられていることも多いです。
土地公廟に向かう道から見える観音像は、隣の金龍禅寺のもの。
小さいながらも新しく立派な祠です。
少し離れたところに古い祠が見えたので、そちらから新しい祠にお遷ししたのかもしれません。
廟の屋根の彫刻も見事です。