天皇宮

林森北路を北上して、民権東路に達するちょっと前のファミマの裏側にある廟です。

天皇宮というからには主祭神は天皇大帝だろうかと思ったら、どうやら主祭神は玉皇大帝。天皇大帝は四御の一柱の勾陳大帝であり、同じ四御に属する紫微大帝と同一神だと言われることもあります。ただ、現在の道教の設定では天皇大帝と紫微大帝は兄弟神で、別々の神様とされています。

紫微大帝が主祭神になっている廟は参拝したことがあるものの、天皇大帝が主祭神の廟は行ったことがなかったので、期待したのですが、その意味では残念でした。

ただ、玉皇大帝が天皇大帝から派生した神格だという説もあるようです。

小ぢんまりした地元密着型の廟で、廟の横では近所のおとっつぁんたちがたむろしていたりします。もちろんきちんと礼節をもってお参りすれば、その後多少ちょこちょこ撮影していても文句を言われることはありません。

前に並ばれた諸神。左側は多分福徳正神と関聖帝君。中央は中壇元帥です。

玉皇大帝の像の前に置いてあるのは位牌です。位牌はもともとは儒教の文化であり、道教では神様の神位を記すものとして使われています。日本の仏教で位牌を使うのも、そもそもは中国仏教が儒教からパクったためです。

反対側から撮影。金色なのは玉皇大帝の像で、同じ神様の像が複数置かれているのはよくあることです。蓮華座にいるのは観音仏祖でしょう。皿に入っているお供えものはジャスミンの花びらです。

龍の彫刻がいい感じです。

神様は南面するものなので、通常廟は南向きに建てられおり、故に入った右側は東になるので龍門、左側が西側になるので虎口となります。しかし、例外もあり、この廟は東向きに建てられていて、ゆえに右側は北になるのですが、そのへん形骸化して、南向きに建っていなくても入って右側に龍、左側に虎が飾られていたりします。

あるいは、南向きに建てられなくても龍虎を置くことで象徴的に南面しているということにしているのかもしれません。

小さな廟ですが、人通りが多い林森北路のそばなので参拝客は多いようです。