台北市北西部の淡水川に沿った地域は大稻埕と呼ばれ、その中には迪化街も含まれます。
大稻埕は水運により古くから栄えており、迪化街は大稻埕碼頭に荷揚げされる商品を扱う問屋街として発展した街です。
台北霞海城隍廟は日本のガイドブックではお土産スポットなどと紹介されている問屋街・迪化街にある城隍廟です。台北霞海城隍廟公式サイトによれば、この廟の城隍爺はもともとは泉州の海辺にある街の守護神であり、清代に「臨海門」という扁額を朝廷より賜ったことからその街が霞城と呼ばれるようになったので、その海の近くに祀られる城隍神が霞海城隍と呼ばれるようになったとか。
萬華地区で龍山寺と並んで篤い信仰を集めているのがこの青山宮です。ちなみに??というのは萬華の旧表記で、台湾語読みで「バンカー」。日本時代に日本人が「バンカ」に日本の音読みが近い「万華」という字を当てて、それが国民党占領後に繁体字の「萬華」に改められたというややこしい経過をたどっています。
艋舺龍山寺は1738年創建。台北市内で最も古い道教廟だと言われており、台北の「三大廟門」の一つです。
主祭神は「観音仏祖」。道教では多かれ少なかれ仏教や儒教を習合している部分がありますが、台湾に福建や広東からの移民とともに伝わった南方系道教及び民間信仰には、観音菩薩や地蔵菩薩などが神として取り入れられて信仰されており、特に観音菩薩は人気です。
では、龍山寺と仏教寺院とはどこが違うかというと、まず本来の「仏祖」たる釈迦如来は扱いが小さく、なぜか菩薩である観音が「仏祖」と呼ばれていること、そして、他の道教の神々も祀られているということです。