台南の街をぷらぷら歩いていて見つけた廟です。台湾では古い街を歩いていればたいてい廟があります。
この記事を書くにあたり善徳堂や祀られている神明についていろいろ調べた結果、よくわからないことも多かったのであやふやな情報のまま書きます。
一階は入り口のみ。
細い階段を登って二階に行きます。
二階に登るとまず本殿の前に神轎=神輿が置かれていました。
道教や道教をベースとした民間信仰では、神様の誕生日にお祭りが行われます。そのとき、神像が神轎に乗せられ、地域を練り歩きます。
おそらくは日本の神輿も中国からそうした風習が伝えられ、神道がパクったものでしょう。
善徳堂の創建は昭和10年=1935年。創建時は別の場所にあったものが、太平洋戦争時に米軍の爆撃にあって移転したようです。
創建者は林朱肉員という女性。林朱という姓ではなくおそらくは林肉員さんが朱さんという方のもとに嫁いだのだと思います。
台湾は中国文化の影響が強いため、結婚しても夫婦は別姓。
しかし、もとの姓に嫁ぎ先の姓を加える人もいます。
本殿の入り口には「黄大師爺」の祠。ただ、この黄大師爺がどなたかは不明。
本殿の主祭神は李府三尊王と、劉府大尊王、黄府二尊王の三尊です。この神名から義兄弟的な関係の神様だと思います。しかし、末弟の李府三尊王が中央に置かれているのはなぜかは不明。
李府三尊王が、王爺千歳信仰における李大亮なのか、はたまた鄭成功なのかも不明。李大亮は唐建国の功臣で、台北で李府千歳といえば李大亮です。一方、高雄のほうでは李府千歳が李姓を賜った「国姓爺」鄭成功の場合もあります。
配祀は清水祖師。
註生娘娘。
南部では特に人気が高い玄天上帝。
それに福徳正神。
本殿の出口には五營神將の祠があります。
この廟は階段を回り込む形で前殿があります。
前殿に祀られるのは林府千歳。廟を創建した林朱肉員さんのご先祖で、清朝統治時代に宗教活動をされていた林崑山さんを神様として祀っているようです。
左右には七爺八爺。
祭壇にも本来城隍爺配下の捕吏が並べられている典型的な王爺千歳として祀られています。
王爺千歳はたまに架空の人物があてられていることもありますが、基本的には実在の偉人があてはめられています。
しかし、自分のご先祖を王爺千歳にしちゃっている例というのは、私の乏しい知識の中ではこの廟のみです。
香炉の前には造形が異なる中壇元帥が二尊。