台中市をめぐっていたとき、ふと遠くを見ると高層の廟の屋根が見えました。
では行ってみようと、その廟の方向へ伸びている細い路地に入ってみたのです。
私は大きい通りより路地を歩くのが好きです。路地裏には大きい通りには現れない地元の人の暮らしの風景があります。
台湾の場合路地に入っても昼間ならばまず危険な目にあうことはありませんから、わりとほいほい入っていきます。
その細い路地の奥にこの廟がありました。
三府王爺を祀る王爺廟です。
天帝より代天巡狩の役目を賜り、地上の悪霊や瘟神退治を請け負うのが王爺千歳の役割。
台北で三府王爺、三府千歳といえば多くの場合朱・池・李の三柱です。これが台南や高雄へ行くと同じ三府王爺でもメンバーがまったく違ったりします。
この廟の三府王爺はそれぞれどなたなのか、どこを探しても説明がなかったので不明。ただ、調べた限りでは台中では三府王爺は台北と同様朱・池・李千歳になるようです。
三府王爺の前には済公活仏。
さらにその前ほうには関聖帝君とか玄天上帝など確実に王爺より偉い神様がいますが問題ありません。
前列中央はやはり中壇元帥の定位置という感じ。
祭壇の下には虎ちゃんとお馬さん。いっしょにいて食べられたりはしないんでしょうかね?
隣の祭壇には五營旗。これは五營神將を表します。
その隣は各種観音仏祖と布袋和尚。
布袋和尚は弥勒如来の化身だという設定のもと、弥勒として祀られることもあります。
私のような物好き以外、外国人が訪れることはありえない路地裏の小さな廟は、地域の人たちの拠り所でもあるのでしょう。その需要に応じるためにも、人気の神様を取り揃えましたといった感じです。
ところでこの廟の前の道、工事中で通り抜けられませんでした。
なので結局逆戻りして大きい通りにでなければなりませんでした。
知らない路地裏の探索は、工事などない場合でも行き止まりになっていることが多々あります。
でも、そんな目に何度あっても路地裏探索はやめられないですね。