ここは萬華界隈を廟を求めてぷらぷら歩いているときに、たまたま発見しました。
真武はつまり玄天上帝のことです。玄天上帝は、全真教の流れを組む武当山で強く信仰されている神様ですが、おそらく全真教の流れは伝わっていないであろう台湾においても人気の神様です。四神の中でも北の守りである玄武を人格神化した玄天上帝が、どういう流れで台湾にまでに伝わったのかは不明です。
明代には帝室の守護神とされたので、明滅亡による亡命政権・南明とともに南方にも信仰が伝えられたのかもしれません。台湾に玄天上帝を伝えたのは、鄭成功ら明の遺臣だという可能性も高いです。
ここに写っているのはたぶん全部が玄天上帝。玄天上帝の像の中には、自らの元ネタである玄武を構成する蛇と亀を踏んづけているものもあります。
前列を守る中壇元帥、王元帥、趙元帥は玄天上帝の配下の神様です。
五営将軍と黒令旗。五営将軍を表す五営旗に含まれる黒旗は、五営将軍で北を守る誰かを表します。誰かと言うのは五営将軍も中壇元帥を除き系統によって構成する神様が違うからです。しかし、その横にある黒令旗は玄天上帝を表します。これは、水=北=黒(玄)という五行のつながりです。
二階には斗母元君の祭壇。五路財神、文昌帝君、福徳正神も祀られています。
その横には太歳星君。
萬華の路地にある廟で、場所を説明するのはめんどくさいので省きます。