台北市玄天宮

大稻埕というのは民権西路より南、重慶北路より西ということになっていて、重慶北路よりほんの少し東にあるこの廟は大稻埕には入らないんですが、他に入れられる地域がなかったので便宜的に大稻埕に入れておきます。

古びた2階建て雑居ビルの1階にはテナントがいくつか入っていて、2階全体が廟になっているので、階段で登ります。

2階のベランダ(?)部分に天公炉。

天公炉の裏側には石敢當があります。石敢當は沖縄でよく見られる魔除けです。これは、道の角などに置いてまっすぐにしか進めない魔物を迎え撃つというもの。ここでは主殿に魔物が入るのを防いでいるのでしょう。「まっすぐにしか進めない魔物」というのは、中国南部を発信地とした、東シナ海文化圏に共通する文化なのだと思われます。この魔物というのは、ゴミや病気を運んでくる風のことではないかという気がします。

主祭神は四神の一つで北方を守護する玄武が人格神になった玄天上帝です。ところで四神というのは、当然中央に対して背を向けて東西南北を守っているわけです。ところが、日本のフィクション作品では四神が中央を向いていて、守るべき中央で戦ったりということがたまにあるんですよね、ガメラ3とか。なぜ守護神同士で戦うのか、考えろよと。

無駄にだだっ広い廟内は電気が付けられておらず薄暗かったので、撮影するのも苦労しました。

玄天上帝は配下に三十六位天将を持ち、また彼らは三十六天罡星に対応する神だとも言われます。これは『水滸伝』の盗賊どもとは別です。三十六位天将には明代の劉吉とか入っているので確実に明以降に作られた設定。三十六天罡星自体はもっと古い時代からあったものなので、『水滸伝』の作者と三十六位天将の設定を考えた人がそれぞれ別々に三十六天罡星を利用して、片方は魔王、片方は三十六位天将という設定を考えたのでしょう。

そもそも三十六位天将には岳飛の他には、関羽やら趙公明やら、人気の武将や神様が集められており、スーパー神様大戦というか「ぼくのかんがえたすごいかみさまぐんだん」みたいなノリを感じるわけです。しかし、改めて調べて見ると、哪吒を第一総領だとする設定と、哪吒が入っていない設定があるのでますますよくわかりません。

左右に18体ずつ像が置かれていて、こっちの中央には三面六臂の像があります。これがおそらく哪吒なので、ここでは哪吒が入っている設定のやつですね。

まあ道教では人気の神様はいろんな設定に引っ張りだこですから、誰がどこに入ってるとか気にしてもしかたないです。