醒心宮仙公廟

「廟」という言葉はなにも道教の礼拝施設を表す言葉とは限らず、「霊廟」という言葉もあるように神霊をお祀りする場所のことです。道教関連の建物としては、廟の他には観・宮・殿・祠などが付きます。そのうち、台湾には「観」が付くところは見当たりません。あるいはあるかもしれませんけど(2月21日追記:彰化に元清觀という廟がありました)。

一番多いのは「○○宮」ですね。で、日本人は分けなくてもいいものまで分けて違うものだと言い張りたがりますけど、この廟の名称を見てもわかる通り、別に区別されて使われているわけではないので、このサイトでは道教の関連施設であれば宮だろうが殿だろうが、みんなまとめて廟として扱います。

てなわけで醒心宮は迪化街一段の北のはしっこ近くにある廟です。仙公廟という名称からも分かるように、主祭神は孚佑帝君です。

醒心宮の公式サイトによれば、戦後に孚佑帝君を主祭神として、関聖帝君、司命真君、豁落霊官、精忠武穆王を加えた五恩主を祀り、教えをあきらかにして善を広め、扶鸞で人助けをすることを目的に作られたとあります。鸞堂の恩主信仰系の廟です。

以前は迪化街二段にあり、1979年に今の位置に廟が完成したとのこと。

ということで、孚佑帝君を中心に五恩主が祀られています。孚佑帝君の左右にいるのは、緑の人が柳星君、ばってんが付いた箱を持っているのが袁天君。孚佑帝君を守護する神様です。柳星君は呂洞賓の幼馴染だとか柳の霊だとかよくわかりません。袁天君は『封神演義』に登場する十天君の一人ですが、それがなんで孚佑帝君と関連付けられたのかちょっとわからないです。手に持っている箱は印鑑で、孚佑帝君の仙旨に印をぺったんする役割を持っているそうです。

関聖帝君と精忠武穆王=岳飛。ちっこい中壇元帥もいます。

赤い人が豁落霊官=王天君。それと竈の神様でもある司命真君。

二階は三教寶殿。三教というのは道教・儒教・仏教です。中国ではそれぞれが三教合一を謳っていますが、それぞれが自分たちを中心にして他の二教から都合のいいところだけつまんでいるというのが実際のところです。

ということでここでは太上老君が中心になっていて、あとは釈迦牟尼仏と至聖先師=孔丘が並んでいます。

三階は瑤池寶殿。中央は西王母で、あと観音仏祖と九天玄女が並んでいます。扶鸞の「鸞」というのは西王母のペットの鳥ちゃんです。扶鸞はこの鳥ちゃんが天界より運んでくる神意を受け取って神がかりになるという占いなので、扶鸞信仰系列では西王母が信仰されます。

四階はなんか屋上にペントハウス的なものを建てましたという感じなので、公式サイトでわざわざ専用に建てられたビルだというのを知るまでは、3階建てのビルを廟として改造したものだと思っていました。

四階は凌霄寶殿。玉皇大帝が祀られます。

四階から下をのぞくとこんな感じ。けっこう高いですけど、私は子供の頃現URの公団住宅の四階に住んでいたので見慣れた高さです。

迪化街一段を北に行って、台北大橋の手前ぐらいの路地を右に入ったところにあります。