艋舺大衆爺廟

地蔵王廟と同じ敷地内の隣にある廟です。福建には、埋葬されなかったりお参りする人がいない死者の魂、つまり日本で言う無縁仏は、悪霊となって害をなすので、それを防ぐために神様としてお祀りするという民間信仰がありました。そうして祀られた神様を大衆爺もしくは有應公と呼びます。それが福建からの移民とともに台湾にも伝わっています。

同じ敷地に、地獄の亡者を救済するとされる地蔵王の廟があるのも、大衆爺信仰と無関係ではないはず。実際同じ廟に地蔵王と大衆爺が祀られているところもあるようです。

非常に小ぢんまりとした廟です。

本来無縁仏の霊は単一ではないはずですが、集合体として一柱の神様になっているという感じでしょうか?

手前はおそらく福徳正神です。

わかりにくいですが火尖槍と乾坤圏らしきものを持っているので中壇元帥でしょうね。

狭い廟だと五営将軍が頭だけというのがよくあります。

城隍神の配下としておなじみの范将軍と謝将軍がいるのは、大衆爺に城隍神と同じ死者に対する司法の職能を与えられているからかもしれません。