全台祀典大天后宮

台南市の祀典武廟のほど近く、歩いて5分もかからないところにある天后宮つまり媽祖廟です。一説には台湾最古の媽祖廟とも言われているようですが、本当のところはわかりません。ただ、台湾の記録では鄭氏政権滅亡後すぐに媽祖廟になったということなので、創建は17世紀後半にまでさかのぼるとなると台湾最古の媽祖廟というのもある程度信憑性はあるように思われます。

この場所は、もともとは明朝朱家の末裔、寧靖王朱術桂の邸宅があった場所だとか。そこを、鄭氏を滅ぼした施琅が媽祖廟にしたと言われています。

主宰神の天上聖母。こんな金色に塗られた天上聖母像は、私がお参りしてきた媽祖廟の中ではここだけだったと思います。道教の神像は、フィギュアっぽく彩色されたものか、真っ黒いものが大多数です。金色なのは仏教の影響かもしれません。

本殿右側には水仙尊王。この像は、もともと別の水仙宮にあったものが、戦時中に米軍の爆撃を受けて廟が破壊されてしまったので、こちらに移されたものだとか。水仙尊王も水神で航海の守護神なので、媽祖廟に祀られているのはよく目にします。天上聖母の配下の神という設定もあるようです。

本殿左側には四海龍王。龍王像が置かれている廟は例えば淡水の媽祖廟なんかもありますが、龍王四兄弟揃い踏みで四海龍王として祀られているというのは初めて見ました。そして龍王といえば頭は龍になっているのが普通なのに、ここでは人間体になっています。

名前が敖光、敖順、敖明、敖吉なので『封神演義』のほうの設定を踏襲しています。

こちらは後殿の臨水夫人と註生娘娘。臨水夫人は女性や子供の守り神で、註生娘娘は安産の神様です。医学が発達した現代でも、出産は女性にとって一大事ですから、註生娘娘への信仰は根強く残っています。台北の龍山寺などでも註生娘娘の前で一心に祈る女性の姿を見ることがあります。

月下老人と福徳正神。月老尊神という名前がついているのは初めて見ました。初めて見るものが多い廟です。ここの月下老人は縁結びパワーが強いようで、ご利益に感謝するリア充たちの写真がたくさん奉納されていました。

その前にはなぜか文神戦隊。

あとは観音仏祖やら三宝仏やら。