淡水清水巖祖師廟

淡水清水巖祖師廟は台北の艋舺清水巌祖師廟、新北市の三峽長福巖祖師廟瑞芳龍巖宮と並び、大臺北四大祖師廟に数えられる廟です。

新北市は現在の市になる前は台北県だったので、台北市と合わせてた台湾本島北西部が大台北と呼ばれていました。新北市になってからは双北市と呼ばれます。

主祭神は清水祖師。この神様は宋代の禅僧・普足和尚が没後に民間で神様として信仰されるようになったものだと言われています。普足和尚は僧侶として立派な人だったというよりも、福建省の一地方でインフラ整備に努めたことで尊敬されているということで、そういう意味では空海に似ています。

現代日本では大規模公共事業をやると文句言われたりしますけど、昔は禹のように洪水対策をやったり、普足和尚のように橋を造ったりすると尊敬されて神様にまでされてしまうのです。

ただ、清水祖師の正体には諸説あって、設定が固まっていないのは民間信仰出身の神様にありがちなこと。そういう意味では天上聖母は設定がしっかりしています。

配神に地蔵菩薩と保生大帝。

こちらは副殿に祀られる西秦王爺。福建の劇団の守り神でした。この神様も唐太宗だとか唐玄宗だとか諸説あって設定が定まっていません。ただ王爺千歳の一柱なので代天巡狩の職能を持ちます。

こちらは蕭府王爺。船頭さんや港で働く人の守り神です。その正体は前漢の儒者・蕭望之だと言われています。

この廟の創建は1937年。1932年に地元の人々が資金を募り、清水廟を建てることになりました。その過程で、もともと近郊にそれぞれ別々にあった西秦王爺廟と蕭府王爺廟が総督府による区画整理という名目の宗教弾圧によって取り壊されてしまったので、合祀することになったようです。

斗母元君と60太歳神。

淡水老街から坂を登って細い路地を通ったところにありますけど、細かく説明するのはめんどくさいので淡水駅とかにある地図を頼りに行けばいいと思います。