士林神農宮

士林神農宮は士林三大廟の一つです。台湾のwikiによれば、もともとあった福徳宮が洪水で流されてしまったために1741年に再建。再建が1741年ということは、1738年創建で台北最古といわれている艋舺龍山寺より創建は古いという可能性もあります。

その再建の折にあまりにも立派な建物にしてしまったために福徳正神には適さないということになり、唭哩岸から神農大帝をお迎えして神農宮にしたとなっています。いささか福徳正神に失礼な話ですが、道教の神様の階位で言えば確かに福徳正神は下のほうに属します。

ということで主祭神は神農大帝。2階に祀られています。

この扁額は総統時代の陳水扁氏の揮毫。

こちらは張天師。

説明書きには、張良の8世の子孫となっています。確かに『史記』では粛清を避けるために政治に関わらず神仙術に傾倒したということが書いてありますが、だからって子孫だというのは嘘でしょう。まあ、唐朝が李姓だからといって老子の子孫を名乗ったよりはましかなと思います。

こちらは関聖帝君軍団と関平、周倉。

この2階からは屋上部分に出られるので、普段あまり近くでは見られない屋根の装飾などを間近で観察できます。

一階に降りる階段のそばの梁に三顧の礼の絵がありました。

一階の中央は、立派な建物にふさわしくないと言われてしまったかわいそうな福徳正神。

龍山寺や迪化街の城隍廟よりもずっと立派な月下老人の像があります。手にしているのは運命の赤い糸です。

ここの太歳殿はなかなかに渋くていい感じです。

この廟は道教美術の点から見ると非常に見どころが多い美しい廟だと思います。

外壁にも見事な彫刻が多いです。

士林神農廟はMRT淡水線士林駅から歩いて10分ほどです。